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ご利益(りやく) Miracles in Buddhism

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虚空蔵菩薩 20数年前、ミネソタ禅センターの片桐大行老師が一時帰国し日本各地の修行僧堂や寺院を訪問した際に、カバン持ちとして同行させてもらった。聖護寺、瑞応寺、永平寺等の専門僧堂を持つ大寺院や、片桐老師が修行されたという小浜の小さな小さな寺を訪れた。ミネソタで学んできた「アメリカ」仏教の教えや修行と日本の寺院でのそれとのギャップがとても大きくショックを受けた。 しかし一番印象深かったのは、禅僧侶の修行や寺の大きさではなく、寺院を訪ねる信者の熱心さである。当時訪問した寺院の一つでは、智恵の利益をもたらすという虚空蔵菩薩を祀っており、そのために障害を持つ子供を連れた多くの母親が集まっていた。どういう仕組みなのかは覚えていないが、障害を持つ子供連れの母親は、本堂での読経が終わるや否や、少し離れた丘の上に建てられたお堂まで競争するように走り、お参りするのであった。お経を大きな声で読み、子供連れで坂を駆け上がる母親達。その姿を見てただただ感動したのを覚えている。 人は皆幸せになりたいと願うが現実は厳しい。その願いに答えて宗教がある。虚空蔵菩薩への深い信仰がその母親たちが望む利益を与えられるのかは分からない。しかし障害を持った親子に奇跡が起こる可能性はゼロではない。強い信仰心をもって修行する人々の多くが、一日でも早く安らいを得てほしいと心から願う。 "There are only two ways to live your life. One is as though nothing is a miracle. The other is as though everything is a miracle." --Albert Einstein 「人生の生き方は二つだけだ。一つは奇跡などないとする生き方。もう一つは全てが奇跡だとする生き方である。」--アルバート・アインシュタイン